プログラミングは、「フレームワーク」を使用することで、効率よく作業を行うことが可能です。
Webアプリケーション開発向けのプログラミング言語であるPHPには、Symfony・CodeIgniter・CakePHP・Zendなど、フレームワークが多数存在します。
中でも、高い人気を誇るフレームワーク「Laravel」がおすすめです。
本記事では、PHPのフレームワークLaravelの特徴や基本的な使い方について解説します。
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目次
Laravel(ララベル)とは
Laravelは、PHPのWebアプリケーションフレームワークです。
Taylor Otwell氏によって2011年6月に初版がリリースされました。
GitHub上で高いスター数を誇り、特に人気のあるフレームワークの一つとなっています。
Laravelは「シンプルな構文」「コードの可読性やメンテナンス性が高い」という点から、開発効率を高めるというメリットがあります。
そのため、必要最低限のプログラムを組むだけでWebサイトやアプリの制作が可能であることから、PHPフレームワークの中でも人気が高まりました。
Laravelで使用するプログラミング言語「PHP」は、Webアプリケーション開発に特化したプログラミング言語です。
HTMLに埋め込んで使用することができ、Webページの動的な生成やデータベースとの連携などが可能です。
またPHPはオープンソースであり、多くのフレームワークが存在するため、Webアプリケーション開発において広く利用されています。
PHPおよびLaravelを使用して、一般的に以下のようなWebアプリケーションを開発できることで知られています。
- SNSサイト
- 会員サイト
- ECサイト
- 動画サイト
近年では、2023年2月に新バージョン「Laravel 10」がリリースされました。
Laravel 10では、PHP 8.0のサポートが終了となったため、利用するにはPHP 8.1以降のバージョンが必要です。
また、Laravelの前バージョンであるLaravel 9は2022年2月にリリースされており、今後は1年ごとにメジャーバージョンアップが行われる予定です。
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Laravelのメリット
Laravelを使用すると、PHPによるプログラミングにおいてどのようなメリットがあるのでしょうか。
ここからはLaravelを使用することで得られるメリットについて解説します。
分業して開発できる
LaravelはMVCモデルを採用しているため、アプリケーションの開発を分業できます。
MVCモデルは、Model(ビジネスロジックを扱う)、View(ユーザーインターフェースを扱う)、Controller(入力を処理する)の3つで構成されています。
MVCモデルを採用することで、Model、View、Controllerをそれぞれ独立して開発できるため、開発者で分担して効率よくアプリケーションを開発することが可能です。
このモデルはプロジェクトの規模が大きくなるにつれてその真価を発揮するため、チーム内の作業効率を大幅に向上させることができます。
理解しやすく学習が容易
MVCモデルを採用したLaravelは、コードの可読性が高くわかりやすいという特徴があります。
ドキュメントも充実しており、初心者でも理解しやすく学習が容易であるため、多くの開発者に愛用される理由にもなっています。
もちろんプログラミングを行うには学習が必要ですが、Laravelは直感的な構文と豊富な学習リソースのおかげで、PHPフレームワークの中でも特に学習しやすいと評価されています。
将来性が高い
Laravelは毎年アップデートが行われ進化のスピードが早いため、将来性が高いといえます。
Laravelを含めたPHPはサーバーサイドシェア率で約8割を誇り、多くのサイトで使用されています。
またPHP、Laravelともに人気が高く多くの開発者に愛用されているため、コミュニティやサポートが充実しています。
これらの要因から、Laravelは将来性が高いといえるでしょう。
Laravelのデメリット
Laravelは大変便利なフレームワークですが、デメリットもあるため使用する上で注意すべき点があります。
Laravelを使用することで生じるデメリットについて解説します。
処理速度が遅くなる可能性がある
Laravelは自由度・拡張性が高いため、多くの機能を実装できますが、それが処理速度の低下を招く可能性があります。
例えば、自由度が高い分、コードは長くなりがちです。
また、開発者のスキルが低いと、機能を適切に実装できず処理速度の低下を招く恐れもあります。
そのため、処理速度を求められるシステムでLaravelを使用する場合は、注意しておいたほうがよいでしょう。
コードが複雑になる恐れがある
Laravelは開発者にとって使いやすく自由にコードが記述できますが、誰でもわかるように記述しないとコードが複雑になる可能性があります。
どのプログラミング言語、どのフレームワークを使用する場合でも言えますが、コードの記載の仕方によっては作業効率が低下するため、開発の際には適切な設計と最適化を行うよう注意しましょう。
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Laravelの機能
Laravelには、開発効率を高める豊富な機能が備わっています。
ここではその機能の概要について解説します。
Eloquent ORM
Eloquent Object-Relational Mapping(ORM:オブジェクト関係マッピング)は、データベースからのデータの出し入れを簡単に行える機能です。
Active Recordデザインパターンを使用し、特定のクラストテーブルを1対1にマッピングします。
これにより、複雑なクエリを簡単に作成でき、コードの保守性を向上できます。
ただし、複雑なクエリを記述することが難しく、またパフォーマンスの問題が発生する可能性があるため、使いどころに注意が必要です。
Blade
Bladeは、Laravelのテンプレートエンジンで、PHPのコードとHTMLを簡単に組み合わせ、動的なWebページを簡単に作成できます。
Bladeは「@」で始まる「Bladeディレクティブ」を使用して構文を表現します。
以下は構文の一例です。
構文 | 用途 |
---|---|
@if/@else/@endifディレクティブ | 条件分岐 |
@foreachディレクティブ | ループ処理 |
@includeディレクティブ | テンプレートファイルの読み込み |
@yieldディレクティブ | レイアウトファイルのセクション |
例えば、以下のコードは、テンプレートファイルの利用例です。
<!DOCTYPE html>
<html lang=”ja”>
<head>
<meta charset=”UTF-8″>
<title>@yield(‘title’)</title>
</head>
<body>
@include(‘header’)
@yield(‘content’)
@include(‘footer’)
</body>
</html>
このコードでは、header.blade.php と footer.blade.php というテンプレートファイルを @include ディレクティブで読み込み、@yield ディレクティブで各セクションの内容を埋めこんでいます。
このように、Bladeを用いることで整理されたビューを効率的に作成できます。
Artisan
Artisanは、Laravelアプリケーションの設定や様々なタスクを簡単に実行できるコマンドラインインターフェースです。
LaravelアプリケーションのBootstrapping(起動時の設定)やファイルの作成やデータベースの操作、アプリケーションの生成などのタスクをコマンドから簡単に実行できます。
さらに、シェルやバッチに組み込むことで、自動で処理することも可能です。
Laravelの学習方法
Laravelを使うためには、Laravelについて学ぶ必要があります。
前提として、Webアプリケーションの開発を行えるスキルがあると、Laravelの理解が進みます。
具体的な前提スキルとして、以下があります。
- HTML、CSS、JavaScriptの使用経験
- PHPプログラミングの基礎知識
- MVCアーキテクチャパターンへの理解
- コマンドラインとターミナルの使用経験
プログラミング経験がない人も、ある程度これらについて学んでおくとよいでしょう。
Laravelを学ぶには、書籍のほか、学習サイトが有効です。
ここでは、Laravelの学習におすすめの書籍および学習サイトをご紹介します。
Laravelを学ぶのにおすすめの書籍・サイト
Laravelを学ぶのにおすすめの書籍・サイトとして、以下の3冊と1サイトを紹介します。
Laravelバージョン9に対応しており、基礎的な知識を網羅することができます。
「速習」とあるように必要最低限のことが丁寧に解説されており、素早くLaravelについて理解したい人におすすめです。
Kindle Unlimitedの契約があれば、無料で読むことができます。
デジタルハリウッド・ジーズアカデミーなどでLaravel講座をもつ著者が執筆したLaravelの入門書です。
プログラミングを学ぶには、実際にプログラムを作成して動かすのが一番です。
本書では実際にアプリを作成してLaravelを学ぶため、開発でよく使うコマンド等もあわせて学べます。
プログラミング経験が少ない初心者におすすめです。
学習サイト「Laravelの教科書」を運営している著者が作成した入門書です。
Laravelバージョン10に対応しており、初心者にもわかるように丁寧に解説しています。
他の技術書が難しく、平易な入門書がほしいという人におすすめです。
著者のサイトもあわせて見るとよいでしょう。
一番人気カテゴリー:Laravel入門講座Laravelを学び始める人に、Laravelの基本を分かりやすく解説したシリーズ記事です。もっと見るおすすめカテゴリー ご紹介Laravel Sailで環境構築エラー対策含め、...
https://laraweb.net/初心者向けのLaravel学習サイトです。
環境構築から初級・中級・上級と段階ごとにチュートリアルがあるだけでなく、フロントエンドやデータベースなど、Webアプリケーション開発に必要な周辺知識も学べます。
また、備忘録としてコマンドの早見表もあるので、開発者になった後も便利なサイトです。
このほかにも、公式サイトやドキュメント、コミュニティなど有益なサイトが多数あります。
特にLarabelの公式ドキュメントは新しい機能やベストプラクティスについて詳しく解説しており、これから学習される方にの参考になるでしょう。
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まとめ
本記事では、PHPのWebアプリケーションフレームワーク「Laravel」について解説しました。
Laravelを使用すれば、分業開発ができるだけでなく、Eloquent ORMやBladeテンプレートエンジンなどを利用することで、効率よく開発することが可能です。
しかし、処理速度が遅くなるというデメリットがあるため、処理速度が求められるシステム開発では、注意が必要です。
本記事の内容を参考に、PHPでWebアプリケーション開発を行う際には、Laravelを使ってみてください。
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2023.08.03
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