WebDAVとは?リスクと非推奨の理由、代用ツールを解説!

遠隔にあるサーバーやレンタルサーバー、VPSとファイルをやり取りする方法の1つに「WebDAV」があります。

WebDAVはインターネット通信で使用するプロトコル「HTTP」を使用し、OS標準の設定やコマンドで利用できるため、初心者にも扱いやすく便利です。

しかし、現在はWebDAVの利用は非推奨とされることが多くなっています。

本記事では、WebDAVの仕組みや非推奨とされる理由、代替ツールについて解説します。

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WebDAVの概要

WebDAVの仕組み

WebDAV(Web-based Distributed Authoring and Versioning)は、HTTPプロトコルを拡張し、Webサーバー上のファイルを共有・編集できる技術です。

WebDAVは、サーバーとクライアントの2つの要素で構成されます。

WebDAVサーバー
・ファイルを保存・管理する。
・Webサーバー(Apache, Nginx, IISなど)にWebDAV機能を追加することで構築可能。

WebDAVクライアント
・ユーザーがリモートのWebDAVサーバーとやり取りできるアプリケーション。
・OS標準機能(Windows:「ネットワークドライブ」、macOS:「サーバへ接続」)や、Cyberduck, WinSCPなどの専用クライアントが使用可能。

WebDAVサーバーとWebDAVクライアントの通信は、Webサイトを閲覧と同じHTTPプロトコルを利用するため、インターネット接続があれば特別な設定なしで利用できます。

WebDAVの機能

WebDAVの主な機能を端的に説明すると「ファイル共有」です。

具体的な機能は、以下の通りです。

・ファイルのアップロード/ダウンロード
HTTP通信でクライアント・サーバー間のファイル送受信が可能です。
例)GETメソッドでダウンロード、PUTメソッドでアップロード

・ファイルの編集/削除
サーバー上のファイルに直接アクセスし、操作できます。
PROPFINDメソッドでファイルやディレクトリの情報を取得できる他、MKCOLメソッドでディレクトリの作成、DELETEメソッドでファイルやディレクトリを削除できます。

・ファイルのロック機能
LOCKメソッド/UNLOCKメソッドを使用し、ファイルをロックして他のユーザーが同時に編集できないよう制御できます。

・バージョン管理
ファイルのメタデータを管理し、更新履歴を保持、復元が可能です。

これらの機能を利用することで、Webサーバー上のファイルを、ローカルのファイルシステムのように扱うことができます。

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WebDAVのメリット

WebDAVには、以下のようなメリットがあります。

①クロスプラットフォーム対応
・Windows、Linux、MacOSなど、異なるOS間で利用可能。
・例えば、開発環境がWindowsやMacOS、本番環境がLinuxという場合も、WebDAVを使えばシームレスにファイル共有ができる。

②リモートアクセスが容易
・インターネットに接続できれば、ブラウザやOS標準機能を使ってリモートアクセスが可能。
・通常、インターネットのために通信ポートを開けていることから、ファイアウォールやプロキシで新たなポート開放を行うといった特別な設定が不要。

③セキュリティの強化
・HTTPSやSSLを使用すれば、セキュリティを強化して安全な通信が可能。

これらのメリットから、WebDAVは特別な設定や追加ツールを使うことなく手軽にファイル共有ができる方法として利用されてきました。

WebDAVが非推奨となった理由

2023年11月、MicrosoftはWebDAVをWindowsの非推奨機能の1つとして公開しました。

現在、Windows11ではWebDAVがデフォルトで無効になっています。

では、なぜWebDAVは非推奨とされたのでしょうか?その主な理由について解説します。

セキュリティ上の懸念

WebDAVは、設計が古いプロトコルを使用しているため、現代のセキュリティ要件を十分に満たせないという問題があります。

特にパスワード認証の仕組みが弱く、強固なセキュリティ対策が求められる現代の標準では不十分となります。

例えば、過去にWebDAVに関連する複数のセキュリティ脆弱性が報告されており、攻撃者に悪用されるリスクがあります。

このように、WebDAVはセキュリティ上に不安があるとして利用が推奨されなくなりました。

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技術の陳腐化

WebDAVの古い設計は、セキュリティ以外にも以下の問題があります。

パフォーマンスの問題
・大容量のファイル転送時に通信が不安定になりやすく、通信時間が長くなる。
・同時接続や並列処理の最適化が不足しており、大規模なチームでの利用には不向き。

互換性の問題
・OSやブラウザのアップデートによる互換性の低下。
・一部のWebDAVクライアントでサポートが終了しつつある。

メンテナンスコストの増加
・WebDAVを維持・管理するためのサーバー設定やセキュリティ対策が手間になる。
・Microsoftなどの大手企業がWebDAVのサポートを縮小。

こうした問題から、MicrosoftはWebDAVの維持よりも新しい技術への移行を推奨しています。

代替技術の普及

WebDAVに代わるより安全で効率的なファイル共有技術が普及したことで、WebDAVの利用は減少しました。

代表的な代替技術には以下のようなものがあります。

より安全で効率的なファイル転送プロトコル
・SFTP(SSH File Transfer Protocol):暗号化された安全な通信が可能。
・HTTPS:TLS/SSLを利用し、データの改ざんや盗聴を防止。

クラウドストレージサービス
・OneDrive、Google Drive、Dropboxなど、手軽にファイル共有できるクラウドサービスが普及。
・WebDAVのような手動設定が不要で、直感的に利用可能。

APIを利用したファイル管理
・REST API / Graph API など、クラウドサービスのAPIを利用してより柔軟なファイル共有・管理が可能。
・例えば、Google DriveやOneDriveのAPIを利用すれば、自動化や高度な権限管理も容易に実装できる。

このように、WebDAVを使い続けるメリットが減少し、新しい技術への移行が進むようになりました。

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WebDAVの代替手段

WebDAVの利用が非推奨となった今、ファイル共有にはどのような方法を使えば良いのでしょうか?

ここでは、WebDAVの代替手段としておすすめの方法を2つご紹介します。

SFTPサーバーの利用

WebDAVの代替として挙げられるのがSFTPサーバーの利用です。

SFTPは、SSH(Secure Shell)を利用した安全なファイル転送プロトコルで、通信が暗号化されるため高いセキュリティを確保できます。

WebDAVとSFTPは、以下のような違いがあります。

項目WebDAVFTPSFTP
通信プロトコルHTTP/HTTPSTCP(FTP)SSH
通信の暗号化HTTPSなし(平文)SSHによる暗号化
対応プラットフォームブラウザ・OS標準FTPクライアントが必要SFTPクライアントが必要
ファイルロック機能ありなしなし

WebDAVはファイルロック機能があるため、複数人での同時作業には適していますが、単純なファイル送受信であればFTP/SFTPでも十分対応可能です。

特にFTPは通信データが暗号化されないため、セキュリティリスクが高く、現代ではSFTPの利用が推奨されています。

クラウドストレージサービスの利用

複数人でのファイル共有やバックアップ管理など、より柔軟な運用がしたい場合には、クラウドストレージサービスの利用が便利です。

具体的なサービスとして、以下が挙げられます。

・Google Drive
・OneDrive
・Dropbox
・Box Drive

クラウドストレージの利点は、サーバー管理が不要であり、OSやセキュリティ設定、アップデート対応の負担を軽減できる点です。

例えば、機器故障の対応が不要ですし、必要に応じてストレージ容量追加も簡単に行えます。

また、クラウドサービスを利用することでハードウェア障害などに対するBCP(事業継続計画)対策にもなるのもポイントです。

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まとめ

本記事では、WebDAVの仕組みと非推奨となった理由、代替手段について解説しました。

WebDAVは、以前は遠隔サーバーやレンタルサーバー、VPSとのファイル連携に便利な手段でした。

しかし、設計の古さやセキュリティ上の懸念から、現在では非推奨とされつつあります。

代替手段としては、SFTPやクラウドストレージサービスの利用が有効です。

WinServerでも、SFTPを利用してのファイル転送は可能です。

もしWebDAVを利用している場合は、ぜひSFTPやクラウドストレージへの移行を検討してみてください。

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