Windowsに比べると、LinuxなどのUnix系OSで動かすアプリケーションは決して多いとはいえません。
そのため、Unix系OSでWindowsアプリケーションを動かしたいと考える人もいるのではないでしょうか。
Wineを使用すれば、Unix系OSでWindowsアプリケーションを動かすことが可能です。
本記事では、Ubuntu環境にWineをインストールする手順をご紹介します。
最後にWindowsアプリケーションでの動作方法や、文字化けした時の対応方法についてもわかりやすく解説しています。
これからWineを利用される方は本記事を参考に、インストールしてみてください。
2022.10.13
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目次
Ubuntuの環境について
前提条件
今回は、仮想マシン上にUbuntuおよびWineを構築します。
仮想マシンのスペックは以下のとおりです。
- CPU:2vCPU
- Memory:4GB
- Disk:50GB
Ubuntu、Wineは以下のバージョンを利用しています。
- Ubuntuのバージョン:Ubuntu 22.04.2 LTS
- Wineのバージョン:Wine-8.0.2
また、コマンドの標記については、実際に入力するコマンドを太字、補足の内容を青字で記載しています。
一般ユーザーをsudoグループに追加
Wineをインストールするには、管理者権限が必要です。
rootアカウントを使用するか、通常ユーザー(以下の例では、testuser)をsudoグループに追加しておきましょう。
通常ユーザーをsudoグループに追加するには、以下のコマンドを使用します。
# usermod -aG sudo testuser |
このコマンドを実行することで、testuserがsudoグループに追加され、管理者権限を利用してWineをインストールできるようになります。
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Wineのインストール手順
Wineとは
Wineは、Unix系OSでWindowsアプリケーションを動かすことを目的としたソフトウェアです。
「エミュレーターではない」を意味する「Wine Is Not an Emulator」の頭文字からWineと呼ばれています。
WindowsアプリケーションとUnix系OS (LinuxやMacOSなど)の間のブリッジとして機能します。
Wineは仮想環境やエミュレーターではなく、Windowsアプリケーションをネイティブに動かすため、高性能な処理が可能です。
Windows向けGUIのアプリケーションのほか、MS-DOS用アプリケーションにも対応していますが、すべてのアプリケーションが動作するわけではありません。
アプリケーションの動作報告はデータベース化されています。
ここからは、Ubuntuの環境にWineをインストールし、Windowsアプリケーションを実行するまでの手順をわかりやすく解説します。
手順1 : 32bitアーキテクチャの有効化
最初に、今回使用する環境のUbuntsが64bit版であるため、32bitパッケージもインストールできるように32bitアーキテクチャを有効にします。
$ sudo dpkg –add-architecture i386 |
このコマンドを実行することで、32ビットパッケージのサポートが有効になり、後続の手順で32ビットのアプリケーションやライブラリをインストールできるようになります。
手順2 : Wineリポジトリキーの追加
次に、Wine リポジトリキーを追加します。
Wine リポジトリキーを、次のコマンドを使用してwgetで「/etc/apt/keyrings」 ディレクトリに追加します。
$ sudo wget -nc -O /etc/apt/keyrings/winehq-archive.key https://dl.winehq.org/wine-builds/winehq.key
※「-O」は大文字のオー
次に、Winehq apt リポジトリの設定ファイルをダウンロードします。
$ sudo wget -nc -P /etc/apt/sources.list.d/ https://dl.winehq.org/wine-builds/ubuntu/dists/jammy/winehq-jammy.sources |
この手順を実行することで、Wineリポジトリのキーと設定ファイルが追加され、Wineを正しくインストールできるようになります。
手順3 : Wineのインストール
パッケージリストを更新後、Wineをインストールします。
$ sudo apt update
$ sudo apt install —(-は2回)install-recommends winehq-stable
インストール完了後、Wineのバージョンを確認します。
$ wine –version |
これにより、Wineが通常にインストールされたことを確認できます。
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実際にWindowsアプリケーションを使ってみる
Windowsアプリケーションの起動
Wineをインストールしたら、実際にWindowsアプリケーションを使ってみましょう。
ここでは、例としてフリーソフト「サクラエディタ」を使用します。
サクラエディタをダウンロードし、exeファイルを実行します。
$ wine sakura.exe |
.NETアプリケーションの場合は、「wine-mono-package」をインストールするようダイ
アログボックスが表示されるので、インストールします。
インストール後、サクラエディタが起動します。
Wineで文字化けが発生した場合の対応
Windowsアプリケーションによっては、「□□□□□」という形で文字化けが発生する場合があります。
文字化けに対応するには、日本語フォントをインストールが必要です。
ここでは、日本語フォントをいれる手順をご紹介します。
最初に、winetricksをインストールし、実行します。
$ sudo apt install winetricks
$ winetricks
以下の画面が表示されたら、「Select the default wineprefix」を選択します。
何度かメッセージが表示されますが、「はい」を選択します。
以下の画面では、「Install a font」を選択します。
インストールするフォントは「cjkfonts」を選択します。
何度かメッセージが表示されますが、すべて「OK」で進むと、インストールが完了します。
フォントのインストール後、再度、Windowsプログラムを起動すれば文字化けが解消していることを確認できます。
Wineで動作するWindowsアプリケーションの確認方法
今回は例としてサクラエディタの動作を確認しました。
他にも、Wineを使って動作するWindowsアプリケーションが存在します。
Wineで動作が確認されているアプリケーションを探すには、「Wine Application Database(AppDB)」を確認するのが便利です。
右上の検索フォームから使用したいアプリを検索すれば、動作状況が確認できます。
Windowsアプリケーションの動作状況に応じて、「Platinum」「Gold」「Silver」「Bronze」「Garbage」の5種類にランク付けされています。
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まとめ
今回はUbuntuを使用してWineのインストール手順について紹介しました。
通常LinuxやMacOSなどのUnix系OSでは、Windowsアプリケーションを直接実行することはできません。
しかし、WineはUnix系OSでWindowsアプリケーションをネイティブで動かすことができるソフトウェアです。
Wineを通してWindowsアプリケーションを実行することで、Unix系OS上でWindowsアプリケーションを動かすことができます。
Wineで動かすことができるWindowsアプリケーションは、AppDBにて動作状況を確認できますので、使用したいアプリケーションを確認してみるとよいでしょう。
本記事を参考に、UbuntuにWineをインストールしてみてください。
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