次世代通信技術「IOWN」とは?概要・メリット・活用事例を解説!

近年、AIやIoT、クラウドの普及により、ネットワーク上に流れるデータ量は飛躍的に増大しています。

それに伴い、高速かつ大容量のデータ通信が可能で、なおかつ電力消費を押さえる通信インフラの整備が求められています。

このような背景のもと、次世代通信基盤として注目されているのが「IOWN(アイオン)」構想です。

本記事では、IOWN構想の概要とメリット、そしてIOWNによって可能になることについて詳しく解説します。

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IOWN構想とは

概要

IOWN(Innovative Optical and Wireless Network)は、2019年にNTTによって提唱された次世代通信インフラの構想です。

従来の通信インフラでは対応しきれない高速・大容量・低遅延な通信環境の開発が進められており、2030年の本格的な実現を目指しています。

IOWNは、光技術と最先端の情報処理技術を組み合わせることで、従来の電子通信の限界を克服することを目指しています。

具体的には、以下の3つの目的があります。

・大容量データの高速処理
・低消費電力によるエネルギー効率の向上
・リアルタイム性を重視した低遅延通信の実現

IOWN構想は、単なる技術革新にとどまらず、既存の通信インフラでは解決が困難だった課題を克服し、社会や産業全体に変革をもたらすものとして注目されています。

IOWNが求められる背景

近年、スマートフォンやIoTデバイスの急速な普及、自動運転車のセンシング技術、監視カメラによる高精細映像などの影響により、インターネットに接続されるデバイスの数は爆発的に増加しています。

今後もこの傾向は続くと予想されています。これにより通信量が増加し、このままでは既存の通信インフラが電力消費や処理能力の限界に達するという懸念があります。

さらに、多様化する社会ニーズに応えるには、高速・大容量であることに加え、柔軟かつ効率的な通信基盤が必要です。

例えば、IoTデバイスや一部の監視カメラのように、必ずしもインターネットに接続する必要がない場合もあります。

そのため、用途や目的に応じて柔軟にコントロールできる次世代ネットワーク基盤が求められているのです。

IOWNのメリット

消費電力の削減

近年、特にAI処理の高度化に伴い、データセンターなどの消費電力が急増していることが問題となっています。

IOWNでは、光電融合デバイスの導入により、消費電力の大幅な削減を目指しています。

具体的には、2026年頃には従来比で1/8、2032年頃には1/100までの削減を目標としています。

このような省電力化は、カーボンニュートラルの推進にも大きく貢献すると期待されています。

高速・大容量通信の実現

IOWNでは新たに開発された光ファイバケーブルや大容量光伝送システム、データ伝送技術の開発を進めており、高速・大容量通信の実現を目指しています。

具体的には、光ファイバケーブル1本あたりの通信容量を現在の125倍拡大が期待されています。

低遅延の通信環境

通信データの圧縮処理や中継地点での待機処理を最小限に抑えることで、エンド・ツー・エンドの通信遅延を現在の1/200まで短縮することを目指しています。

これにより、ミリ秒単位の応答速度が求められる遠隔医療や自動運転、AR/VRなどのリアルタイム性が重要な分野において活用が期待できます。

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IOWNを支える3つの主要技術

オールフォトニクス・ネットワーク(APN)

APN(All-Photonics Network)は、端末から通信経路、交換機に至るまで、すべてを光技術で構成する次世代の通信基盤です。

具体的には、以下のような技術が活用されます。

・光電融合技術
・光ファイバ技術
・光交換技術

従来の電子信号による通信と比べて、電力効率の大幅な向上と省電力化を実現できます。

また、電気信号と光信号の変換を不要にすることで、低遅延かつ高速・大容量な通信が可能になります。

デジタルツインコンピューティング(DTC)

DTC(Digital Twin Computing)は、現実世界のあらゆる事象をデジタル空間上に再現(ツイン化)し、未来予測や高度なシミュレーションを行う技術です。

「デジタルツイン」とは、現実とデジタルの世界を双子のように再現させることに由来します。

DTCでは、複数のデジタルツイン世界を連携させた「仮想社会」の構築も可能で、以下のような用途が期待されています。

・気候変動や災害発生時の影響予測
・都市計画における交通渋滞の緩和シミュレーション
・医療現場での治療効果の予測や、患者ごとの最適な治療法の提示

コグニティブ・ファウンデーション(CF)

CF(Cognitive Foundation)は、クラウドやネットワーク、ストレージ、コンピューティングなどのあらゆるITリソースを統合的に管理するための技術です。

CFの最大の特徴は、利用者のニーズに応じてリソースを調整し、最適に配分・運用できます。

さらに、AIを活用したリソースの完全な自動化や自律化を実現し、障害予測や自動修復などの高度な運用管理を可能にします。

このように、CFは次世代のネットワーク運用において、効率性と柔軟性を両立する中核的な役割を果たします。

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IOWNで実現できること

自動運転技術の加速

IOWNの活用により、自動運転技術の進化が加速しています。

例えば、北海道千歳市では、IOWN APNと5Gワイドを組み合わせた路線バスの自動運転実証実験が行われました。

この実験では、自動運転レベル2(運転手が必要に応じて操作)での運行を行い、バス停に設置された監視カメラの映像を基に、安全確認と乗車支援を検証しました。

IOWNを活用することで、遠隔地からリアルタイムで車両を監視・操作することが可能となり、安全性と運転効率の向上が期待されています。

さらに、信号機を使用せずに車両同士で通信を行う「シグナルフリーモビリティ」の開発や、デジタルツイン技術による交通最適化の取り組みも進められています。

シームレスな遠隔コミュニケーション

IOWN APNの導入により、臨場感のあるシームレスな遠隔コミュニケーションの実現を目指す取り組みも始まっています。

従来のWeb会議では、通信遅延や音声・映像の品質劣化により、表情や雰囲気などの非言語情報が伝わりにくいという課題がありました。

これに対し、NTT西日本はIOWN APNと空間共有ポータル技術を活用し、対面に近い自然なコミュニケーションの実証を進めています。

この技術により、遠隔地間でも臨場感のある会話が可能となり、医療や教育など、リアルタイム性が求められる分野での応用が期待されています。

スマート農業

日本の農業における人手不足の深刻化に対応するため、ロボット農機を活用したスマート農業の推進が行われています。

IOWNによるリアルタイム通信技術を活用し、農業機械やセンサーからのデータを即時に分析し、遠隔地から農業機械の監視や制御が可能となります。

また、複数ネットワークの最適活用により、広域での自動運転農機の実証実験も行われています。

このようにIOWNは、スマート農業の進化を加速させ、地域間の農業技術格差の是正にも貢献しています。

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まとめ

本記事では、次世代通信基盤「IOWN」について、その概要と活用事例を解説しました。

スマートデバイスやIoTの急速な普及により、インターネット上で扱われるデータ量は爆発的に増加しています。

このような背景のもと、高速・大容量かつ省電力な通信インフラの整備が急務となっています。

IOWNは以下の3つの主要技術を柱に、これらの課題を解決し、革新的な通信基盤の実現を目指しています。

・オールフォトニクス・ネットワーク(APN)
・デジタルツインコンピューティング(DTC)
・コグニティブ・ファウンデーション(CF)

もちろん、インフラ整備に伴うコストや既存技術との互換性といった課題も残されていますが、IOWNによって実現されるリアルタイム通信と柔軟なネットワーク制御は、今後の会社や産業に大きな変革をもたらす可能性があります。

未来の社会を支えるIOWNの可能性に、今後も注目していきましょう。

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