LAMP環境とは、Linux、Apache、MySQL、PHPを使用した主流のWeb開発環境です。
全てオープンソースソフトウェアで構成されているという特徴があります。
本記事では、LAMP環境の特徴やメリット・デメリット、LAMP環境を構築する手順を紹介します。
構築手順は、Ubuntu20.04 および Ubuntu22.04 の2つのバージョンでの手順を解説いたします。
Ubuntu 20.04では、taskselコマンドをつかって、一度にLAMP環境を構築することができましたが、Ubuntu 22.04ではtaskselのタスクリストから、lamp-serverが除外されており、1つずつパッケージをインストールする必要があります。
お手持ちのUbuntuのバージョンにあわせた構築方法を参考にしてください。
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目次
LAMP環境とは
オープンソースソフトウェアを組み合わせたWebアプリケーション環境
LAMP環境とは、Webアプリケーション環境のことで、以下のソフトウェアの頭文字をとったものです。
・Linux(OS)
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・Apache(Webサーバー)
Winserver:Apacheとは。Webサーバーソフトとしての特徴や将来性を解説
・MySQL(データベース)
Winserver:MySQLとは。特徴や強み、無償版と有償版の選び方を解説
・PHP(プログラミング言語)
Winserver:PHPのバージョンアップについて。手順や注意点を解説
これらはすべてオープンソースソフトウェアであり、無料で利用できます。
そのためコストを抑えて構築することができ、多くのWeb環境で使用されています。
LAMP環境のメリット
LAMP環境はすべてオープンソースソフトウェアで構成されているため、無償で使うことができ、コストがかからないことがあげられます。
そのため、学習目的で使用するにも適しています。
また改変も自由に行え、汎用性も高くさまざまなシステムで利用できます。
LAMP環境のデメリット
オープンソースソフトウェアのデメリットは、開発元からのサポートが得られない点があげられ、LAMP環境にもこれが該当します。
また、技術的にやや古いということもあり、セキュリティーや運用面でのリスクの対応が求められます。
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UbuntuにLAMP環境をインストールする手順
Ubuntu20.04 および Ubuntu22.04 の2つのバージョンでの手順を解説いたします。
Ubunto 20.04では、taskselコマンドをつかって、一度にLAMP環境を構築することができましたが、Ubuntu 22.04ではtaskselのタスクリストから、lamp-serverが除外されており、1つずつパッケージをインストールする必要があります。
お手持ちのUbuntuのバージョンにあわせた構築方法を参考にしてください。
Ubuntu環境の前提条件
今回は、仮想マシン上に構築されたUbuntuを使用します。
仮想マシンのスペックは以下のとおりです。
- CPU:2vCPU
- Memory:4GB
- Disk:50GB・Ubuntuのバージョン:20.04.6LTS、 22.04.2 LTS
また、コマンドの標記については、実際に入力するコマンドを太字、補足の内容を青字で記載しています。
なお、今回パッケージをインストールするには、管理者権限が必要です。
rootアカウントを使用するか、通常ユーザー(以下の例では、testuser)をsudoグループに追加しておきましょう。
# usermod -aG sudo testuser |
Ubuntu 20.04 LTSにLAMP環境をインストールする手順
ここからは、Ubuntuの20.04上にLAMPを構築する手順について紹介します。
20.04 LTSの場合は、taskselを使用することで簡単に構築が可能です。
手順1. パッケージのアップグレード
最初に、パッケージをアップグレードします。
$ sudo apt update
$ sudo apt upgrade
手順2. taskselのインストール
taskselは、事前に定義された複数のパッケージを一度にインストールすることが可能です。
以下のコマンドで、taskselをインストールします。
$ sudo apt install tasksel |
続行しますか?と聞かれたら、「Y」を入力します。
※事前にオプションで「-y」をつけることで、聞かれずにインストールも可能です。
taskselをインストールしたら、taskselで事前に定義されているパッケージを確認してみます。
以下のとおり「lamp-server」が表示されるので、taskselでLAMP環境の構築に必要なパッケージを一度にインストールできます。
$ sudo tasksel —list-tasks (※—は-2回重ねる) |
手順3. LAMP環境のインストール
taskselで、lamp-serverに必要なパッケージをインストールします。
$ sudo tasksel install lamp-server |
画面が切り替わり、インストールが始まります。
手順4. インストール後の動作確認
lamp-serverをインストールすると、「Apache」「MySQL」「PHP」がすべてインストールされています。
それぞれが正常に動作しているか確認してみましょう。
最初に、Apacheの動作を確認します。
以下のコマンドでサービスの稼働状況を確認し、「Active」となっていれば、Apacheが起動しています。
$ sudo service apache2 status |
ブラウザでURL「http://localhost」と入力し、デフォルトのページが表示されれば、正しくインストールされています。
次に、MySQLが正しくインストールされているか確認するために、以下のコマンドを実行します。
MySQLは、オープンソースのデータベース管理システムです。
正しくインストールされていれば、バージョン情報が表示されます。
$ mysql —version (※—は-2回重ねる) |
あわせて、MySQLのセキュリティーを強化するスクリプトも実行しておきましょう。
$ sudo mysql_secure_installation |
このスクリプトによって、以下のことが実行されます。
- rootアカウントのパスワード設定
- ローカルホスト以外からアクセス可能なrootアカウントの削除
- 匿名ユーザーアカウントの削除
- testデータベースおよびtest_で始まる名前を持つデータベースへのアクセス権限の削除
最後に、PHPのインストールを確認します。
正常にインストールできていれば、バージョン情報が確認できます。
$ php -v |
Apacheにアクセスして、実際にPHPが動作するか確認するため、テストページを作成して動作を確認します。
まず、以下のコマンドでテストページを作成します。
$ sudo vi /var/www/html/test.php
※test.phpの内容
<?php echo phpinfo(); ?>
テストページを作成したら、ブラウザでURL「http://localhost/test.php」にアクセスします。
ApacheとPHPの連携がうまくできていれば、以下のPHPの情報が記載されたページが表示されます。
このように、Ubuntu 20.04 LTSの場合は、taskselを使用することで簡単にLAMP環境を構築することができます。
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Ubuntu 22.04 LTSにLAMP環境をインストールする手順
Ubunto 20.04では、taskselコマンドをつかって、一度にLAMP環境を構築することができました。
しかし、Ubuntu 22.04ではtaskselのタスクリストから、lamp-serverが除外されており、taskselを使用したインストールを実行することができません。
そのため、1つずつパッケージをインストールする流れとなります。
手順1. パッケージのアップグレード
最初に、パッケージをアップグレードします。
$ sudo apt update
$ sudo apt upgrade
手順2. Apacheのインストール
最初に、以下のコマンドでApacheをインストールします。
$ sudo apt install apache2 |
続行しますか?と聞かれたら、「Y」を入力します。
※事前にオプションで「-y」をつけることで、聞かれずにインストールも可能です。
Apacheをインストールすると、インストール直後から起動しています。
ブラウザでURL「http://localhost」と入力し、デフォルトのページが表示されれば、正しくインストールされています。
手順3. MySQLのインストール
MySQLは、以下のコマンドでインストールします。
$ sudo apt install mysql-server |
続行しますか?と聞かれたら、「Y」を入力します。
※事前にオプションで「-y」をつけることで、聞かれずにインストールも可能です。
MySQLが正しくインストールされているか確認するために、以下のコマンドを実行します。
正しくインストールされていれば、バージョン情報が表示されます。
$ mysql —version (※—は-2回重ねる) |
あわせて、MySQLのセキュリティーを強化するスクリプトも実行しておきましょう。
$ sudo mysql_secure_installation |
手順4. PHPのインストール
最後にPHPをインストールします。
これは、サーバー上でPHPスクリプトを実行するために使用されます。
以下のコマンドで、PHPをインストールします。
$ sudo apt install php libapache2-mod-php php-mysql |
続行しますか?と聞かれたら、「Y」を入力します。
※事前にオプションで「-y」をつけることで、聞かれずにインストールも可能です。
PHPが正しくインストールされているか確認するために、以下のコマンドを実行します。
正しくインストールされていれば、バージョン情報が表示されます。
$ php -v |
PHPのインストールが成功したことを確認したら、ApacheとPHPを連携させるため、一度Apacheを再起動します。
$ sudo systemctl restart apache2 |
手順5. ApacheとMySQLの自動起動設定
インストールした直後はどちらも起動していますが、Ubuntuを起動した直後は、停止状態になっています。
Ubuntuを起動した際に自動的にApache、MySQLも起動するように設定していきます。
Apacheの自動起動設定を有効化します。
$ sudo systemctl enable apache2 |
MySQLの自動起動設定を有効化します。
$ sudo systemctl enable mysql |
手順6. PHPの動作確認
念のため、Apacheにアクセスして、実際にPHPが動作するか確認するため、テストページを作成して動作を確認します。
まず、以下のコマンドでテストページを作成します。
$ sudo vi /var/www/html/test.php
※test.phpの内容
<?php echo phpinfo(); ?>
テストページを作成したら、ブラウザでURL「http://localhost/test.php」にアクセスし、先ほどと同様正しく表示されるか確認しましょう。
以上で設定は完了です。
まとめ
本記事では、Ubuntu20.04 および Ubuntu22.04 上にLAMP環境(Linux、Apache、MySQL、PHP)を構築する手順をご紹介しました。
Webエンジニアを目指すなら、この環境を自分で構築してWebアプリケーションを開発する技術が必要です。
また、自分でWebアプリケーションを開発したいと考えている人も、この手順に沿って実行すれば簡単に構築できます。
無料で環境を構築できるので、今回ご紹介した手順を参考にぜひ構築してみてください。
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