Linuxにおける「ターミナル」とは、GUI上でコマンドを入力するためのアプリケーションのことです。
コマンドを入力する環境として「コンソール」「シェル」などの似たような言葉があり、違いがわかりにくいですね。
本記事では、Linuxのターミナルについてシェルやコンソールとの違いを踏まえて詳しく解説します。
また、おすすめのターミナルソフトもご紹介します。
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目次
Linuxのターミナルとは
ターミナルについて、シェルやコンソールとの違いを踏まえて解説します。
また、ターミナルを利用するメリットについても紹介します。
ターミナル、コンソール、シェル、それぞれの役割
- ターミナル
Linuxのターミナルとは、GUI上でコマンドによる操作を行うためのアプリケーション、つまりソフトウェアのことです。
代表的なターミナルの例として「xterm」があげられます。
Windowsでも同様のものが存在し、Windowsでは「コマンドプロンプト」と呼ばれます。
- コンソール
コンソールも同様にコマンドによる操作を行うためのものですが、こちらはサーバーに直接接続された装置であり、ハードウェアのことを指します。
例えば、サーバールームではディスプレイとキーボードがラックマウントに収納されており、それを直接操作して、コマンドを入力します。
コンソールは、このようなサーバーを操作するための装置のことです。
- シェル
シェルは、Linuxカーネルに組み込まれたプログラムの1つで、入力したコマンドをカーネルに伝える対話式インターフェースを備えています。
ターミナルでもコンソールでも、CUIで入力されたコマンドをLinuxカーネルに伝えるためにシェルが動作します。
シェルは複数存在し、Linuxでのデフォルトは「bash」が使われます。
このように、ターミナル、コンソール、シェルいずれも意味が異なることを理解しましょう。
ターミナルを使用するメリット
GUIが利用できるのに、わざわざCUIであるターミナルを使用する必要はないのでは、と考える人もいるのではないでしょうか。
GUIだと直感的に操作できるだけでなく、コマンドを覚える必要がないため、GUIのほうが使いやすいと感じる人が多いです。
それでも、ターミナルを使用するメリットがあります。
- 軽量かつ高速
GUIは操作しやすいものの、GUIそのものが重いというデメリットがあります。
しかしターミナルは非常に軽く、処理も高速です。
また、GUIに比べてマウスを使用することがなくキーボードですべて操作するため、慣れると素早く操作できます。
- シェルを使って作業を自動化できる
GUIで行う作業を自動化するには、自動化ツールが必要です。
ターミナルを使ったコマンド操作では、コマンドを羅列したシェルスクリプトを実行するだけで作業を自動化できます。
また、1度シェルスクリプトを作ってしまえば、何度でも実行でき、誰が実行しても同じ結果が得られます。
このようなメリットから、GUI上でコマンド操作ができるターミナルが役立ちます。
Linuxのターミナルソフトのおすすめ8選
本章では、おすすめのターミナルソフトを8つ紹介します。
Xterm
「Xterm」は、X Window Systemの端末エミュレーターです。
通常コンソールでは1つの画面に1つの作業しかできませんが、複数のXtermを起動すれば、同時に作業を行えます。
Xtermにはメニューバーが存在しません。
Ctrlキーを押しながらマウスをクリックし、異なるメニューにアクセスしてさまざまなカスタマイズが可能です。
GNOME Terminal
「GNOME Terminal」は、GNOMEデスクトップに備わっているターミナルです。
Linuxでも人気の高いUbuntuに実装されており、非常に注目されています。
Xtermとほぼ同じ特徴を持ちつつも、タブ機能や複数プロファイルのサポートなど、独自機能も備わっています。
Ubuntuについては、こちら記事で詳しく解説しています。

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yakuake
「yakuake」はKDEのターミナルを元に開発された、Quakeスタイルのターミナルです。
主な機能として、タブ付きインタフェースやロールダウンエフェクト、D-Busインタフェースなどを備えています。
yakuakeはバックグラウンドでも実行でき、普段は隠しておいて必要な時だけ表示して使う、という使い方もできます。
Terminator
「Terminator」はGNOME Terminalをベースとしたターミナルです。
1つのターミナルの画面を複数に分割して表示でき、ドラッグ&ドロップで画面の配置を自由に変えられるという特長があります。
そのほか、コマンドやプログラムを自動実行する拡張機能も備わっており、初心者から上級者まで扱いやすいターミナルです。
Guake
「Guake」は、yakuakeと同じくトップダウン型スタイルのターミナルで、GNOMEデスクトップ向けに調整されています。
yakuakeのようにバックグラウンドで実行される機能、terminatorのようにタブを水平方向・垂直方向に分割する機能が備わっています。
また、必要に応じてタブの保存や復元ができる、名前をつけて簡単にアクセスできるなど、豊富なカスタマイズも可能です。
Tilda
「Tilda」は、Xorgベースのデスクトップで動作する端末エミュレーターです。
通常のウィンドウで利用できるターミナルとは異なり、画面上部からターミナル画面を呼び出して使用します。
外観だけでなくホットキーやオプションなど、ユーザーの好みに合わせて自由に変更できます。
Tilix
「Tilix」(別名:Terminix)は、GTK3というツールキットを使用して開発されたターミナルエミュレーターです。
さまざまなLinuxディストリビューションで使用できます。
タブやターミナル分割、ホットキーのカスタマイズなど豊富な機能を備えるだけでなく、
また、設定でyakuakeやGuakeのように、Quakeタイプのようにドロップダウンで呼び出すこともできます。
Konsole
「Konsole」は、KDEデスクトップ向けのターミナルエミュレーターです。
他のターミナルだとxtermなどを基にして作られていますが、Konsoleは完全にゼロから作成されたターミナルです。
タブで複数のセッションを扱うことができる他、スクロールバーやメニューバー、タブを切り替えることができます。
また、印刷やブックマークなど、使いやすい機能が備わっています。
まとめ
本記事では、Linuxのターミナルソフトウェアについて解説しました。
コマンドベースのインタフェースではGUIと比べ扱いにくいと感じる人もいますが、軽量で動作することや、複数の処理を自動化できるなどメリットもあります。
また、ターミナルはコンソールと同じくコマンドインターフェースですが、使用するソフトによっては以下のような機能が備わっています。
- 複数ウィンドウやタブ、画面の分割
- 外観を見やすく変更できる
- ホットキーの設定
これらの機能により作業効率の飛躍的な向上が期待できます。
今回ご紹介したターミナルを参考に、自分に合ったターミナルを見つけてみてください。
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