Fedoraは、Redhat社が展開するLinuxディストリビューションの1つです。
Redhat社は同じくLinuxディストリビューションとして「RHEL(RedHat Enterprise Linux)」や「CentOS」も展開しています。
本記事では、Fedoraの概要や特徴とともに、RHEL、CentOSとの違いについても解説します。
その他のLinuxディストリビューションについては、以下の記事で詳しく解説しています。
2022.10.20
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目次
Fedoraとは
Fedoraの概要
Fedoraは、LinuxベースのOSで、オープンソースソフトウェアです。
Red Hat社がスポンサーとなっており、世界中のコミュニティによって開発されています。
また、その技術はRed Hat Enterprise Linux (RHEL) の基盤ともなっています。
Fedoraは無料で利用できるだけでなく、ユーザーは自由にソフトウェアを使用、変更、配布が可能です。
さまざまな用途向けに提供されており、デスクトップユーザーからサーバー管理者まで、幅広いユーザーに利用されています。
Fedoraの特徴
Fedoraには、以下のような特徴があります。
- 最新技術をいち早く導入
RedHat社は、Fedoraで積極的に新機能を取り入れ、十分な試験を行った後に安定版をRHELに含めるという方針をとっています。
そのため、新しいカーネルバージョン、最新のデスクトップ環境、開発ツールといった最新のLinuxテクノロジーをいち早く導入することで知られています。
これにより、最先端の技術を試したいユーザーや開発者にとって魅力的な選択肢となっています。
- 幅広いハードウェア対応
Fedoraは様々なハードウェアプラットフォームをサポートしています。
そのため、古いハードウェアから最新のハードウェアまで、幅広いデバイスで利用でき、多くのユーザーにとってアクセスしやすいシステムとなっています。
- 安定性が高い
Fedoraは、安定性とセキュリティを重視しています。
定期的なアップデートにより、セキュリティパッチやバグ修正が行われ、システムの安定性が保たれます。
これにより、ビジネス環境や重要な作業にも信頼して使用できます。
- Red Hatを母体にしておりユーザー数が多い
FedoraはRedHatを母体にしているだけでなく、世界中に広くユーザーを持っています。
オンラインコミュニティが活発で、サポートや情報交換が行われていることにより、様々な問題に対する解決策が共有されやすくなります。
- リリースサイクル
Fedoraは約6ヶ月ごとに新しいバージョンがリリースされます。
これにより、常に最新の機能や改善が追加され、ユーザーは最新の状態を保つことができます。
2023年11月現在、バージョン39がリリースされました。
- さまざまな用途に利用できる
Fedoraはデスクトップ用途からサーバー、クラウド、IoTまで、幅広い用途に対応しています。
これにより、様々なニーズに応じた利用が可能となります。
Fedoraの動作環境
Fedoraの最小システム構成は、以下のとおりです。
- 1GHzのプロセッサ
- 1GBのRAM
- 10GBのハードディスク容量
最小システム構成は非常に小さく設定されており、古いコンピューターでも動作することは可能です。
ただし、より快適に利用したい場合は、これ以上のスペックが推奨されています。
推奨システム構成は、以下のとおりです。
- 2GHz以上のプロセッサ
- 4GB以上のRAM
- 40GB以上のハードディスク容量
これにより、より多くのアプリケーションの同時実行や、より高速なシステム応答が期待できます。
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FedoraとRHELの違い
ここでは、FedoraとRHELの違いについて紹介します。
Fedora | RHEL | |
---|---|---|
開発目的 | 最新技術の採用 | 企業環境の安定性と長期サポート |
リリースサイクル | 約6か月ごと | 数年に1度 |
サポート | 無料 13ヶ月(2世代後のリリース+1ヶ月)のサポート コミュニティが主 | 有料 フルサポート5年+メンテナンスサポート5年+2年の延長ライフサイクルサポート 専門的なサポートやセキュリティアップデート |
ターゲットユーザー | 個人ユーザー、開発者 | 企業、商用サーバーの利用 |
技術基盤 | 最新技術のテスト | 最新技術の安定版 |
FedoraとRHELはそれぞれ異なるニーズに対応しているため、使用目的に応じて適切なディストリビューションを選択することが重要です。
以下、詳細を解説します。
開発の目的
FedoraとRHELは、開発の目的が異なります。
Fedoraは最新のオープンソース技術を採用し、コミュニティ主導で開発されることに重点を置いています。
一方でRHELは、企業環境での安定性と長期サポートを重視しており、ビジネスクリティカルな用途に適しています。
リリースサイクル
Fedoraのリリースサイクルは約6ヶ月ごとで、常に新しい技術や機能が追加されます。
これに対してRHELは、数年に一度のリリースサイクルを持ち、各リリースは長期間にわたってサポートされます。
これにより、RHELはより安定した環境を提供し、企業ユーザーに適した選択となります。
サポートとコスト
Fedoraは無料で利用でき、コミュニティによるサポートが主です。
通常、新しいバージョンがリリースされると、13ヶ月(2世代後のリリース+1ヶ月)のサポートが提供されます。
一方、RHELは有料のサブスクリプションモデルを採用しており、専門的なサポートやセキュリティアップデートが提供されます。
通常、メジャーバージョンのリリースごとに10年以上にわたるサポートが提供されます。
企業が長期的なサポートとセキュリティを求める場合、RHELが適しています。
ターゲットユーザー
Fedoraは最新のLinux技術に興味がある個人ユーザーや開発者に適しています。
一方、RHELは企業環境や商用サーバーでの使用を目的としており、安定性と長期サポートが必要なビジネスユーザーに最適です。
技術的な基盤
FedoraはRHELの開発におけるテストベッドとして機能し、新しい技術がFedoraで先に導入され、その後RHELに統合されることが多いです。
このため、Fedoraは最新技術の実験場としての役割を果たし、RHELはその成果を安定した形で提供します。
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FedoraとCentOSの違い
ここでは、FedoraとCentOSの違いについて紹介します。
CentOSについては、「CentOS Stream」ではなく、広く利用されている「CentOS7」「CentOS8」を対象としています。
Fedora | CentOS | |
---|---|---|
開発目的 | 最新技術の採用 | 安定版を無料で提供 |
リリースサイクル | 6か月ごと | RHELのメジャーリリース後 |
サポート | 無料 13ヶ月(2世代後のリリース+1ヶ月)のサポート コミュニティベースのサポート | 無料 コミュニティベースのサポート長期的なセキュリティアップデート ※CentOS7は2024/6/30サポート終了予定 ※CentOS8は2021/12/31サポート終了済 |
ターゲットユーザー | 個人ユーザー、開発者 | コストを抑えたい企業、個人 |
技術基盤 | 最新技術のテスト | 高い安定性・可用性 |
開発の目的
FedoraとCentOSは、それぞれ異なる開発目的を持っています。
Fedoraは最新のオープンソース技術の採用とコミュニティ主導のイノベーションに重点を置いています。
一方、CentOSはRHEL(Red Hat Enterprise Linux)をベースにしており、その安定版を無料で提供することを目的としています。
CentOSはRHELと高い互換性を持ちながらも、コストを抑えたい企業や個人に適しています。
リリースサイクル
Fedoraのリリースサイクルは約6ヶ月ごとで、常に新しい技術が導入されます。
対照的に、CentOSはRHELのリリースに基づいており、RHELの新しいメジャーリリース後にアップデートされます。
これにより、CentOSはより安定した環境を提供し、長期的なサポートを求めるユーザーに適しています。
サポートとコスト
Fedoraは無料で利用でき、コミュニティベースのサポートが提供されます。
一方、CentOSも無料で利用できますが、RHELに基づいているため、より安定した環境と長期的なセキュリティアップデートが特徴です。
ただし、CentOSは商用サポートが提供されていない点が異なります。
また、CentOS7と8についてはサポートの終了が予定されている点にも注意が必要です。
CentOSのサポートについては、以下Winserverのコラムで詳しく解説しています。
Winserver:CentOS 7のサポート期限について。移行は計画的に。
Winserver:CentOS 8のサポート終了について。課題と代替手段を解説
ターゲットユーザー
Fedoraは最新のLinux技術に興味がある個人ユーザーや開発者に適しています。
一方、CentOSはRHELの安定性と互換性を求めるが、コストを抑えたい企業や個人に適しています。
特に、商用サポートが必要ない場合のサーバー用途に多く利用されます。
技術的な基盤
Fedoraは最新の技術をテストし、イノベーションを推進する役割を持ちます。
一方、CentOSはRHELの安定版をベースにしており、RHELとの高い互換性を持ちながらも、コストパフォーマンスに優れた選択肢を提供します。
これにより、CentOSは安定した環境を提供し、ミッションクリティカルなプラットフォームでも利用できます。
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まとめ
今回はFedoraについて解説しました。
FedoraはRed Hat Enterprise Linux (RHEL) の基盤ともなっているオープンソースのOSです。
ワークステーション、サーバー、IoT、クラウド向けなどさまざまなタイプが提供されており、幅広い用途に対応しています。
同じくRed Hat社がスポンサーとなっているRHELおよびCentOSとは、目的やサポートなどの観点で違いがあるので、その違いをしっかり理解しておきましょう。
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2023.08.03
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