GitLabは、ソースコードのバージョン管理からCI/CD、プロジェクト管理まで、開発プロセスを一元化できるDevOpsプラットフォームです。
GitLabを使うことで、チームは効率的なコラボレーションを実現し、ソフトウェア開発の品質向上とスピードアップが期待できます。
本記事では、GitLabの機能や導入メリットを詳しく解説します。
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目次
GitLabとは？
GitLabの概要
GitLabは、ソースコードの管理や共同開発を効率的に行うためのDevOpsプラットフォームです。
オープンソースとして利用できる点が大きな特徴で、エンタープライズ向けの有料版も提供されているため、企業規模やニーズに応じて柔軟に選択可能です。
近年では、設計・開発・テストを短期間で繰り返し実施して必要な機能ごとに開発をすすめ、早期にリリースを行う開発手法「アジャイル開発」が主流となっています。
アジャイル開発を実現するためには、開発チームと運用チームが協力し、開発からリリース、運用までスムーズに行う取り組み「DevOps」が重要視されています。
GitLabはDevOpsを実現するための必要な機能が揃っており、多くの開発現場で採用されています。
Winserver：アジャイル開発とは。メリット、ウォーターフォール開発との違いを解説
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GitLabの特長
GitLabは、DevOpsプラットフォームとして以下のような特長を備えています。
・ソフトウェア開発の全てのフェーズ（開発、テスト、デプロイ、運用）を一元管理可能
・オープンソースソフトウェアであり、自由にカスタマイズや拡張が可能
・オンプレミス環境で利用する「Self-Managed」版と、クラウドの「SaaS」版の2つがある
・コミュニティが活発であり、定期的なアップデートや新機能の追加が行われている
GitLabはこれらの特長から、個人開発者から大規模プロジェクトまで、幅広いユーザーに利用されています。
GitLabとGitHubの違い
GitLabと同じようにソースコードの管理に使われるプラットフォームとして「GitHub」があります。
GitLab、GitHubともにGitの仕組みをもとに構築されています。
この2つの違いについて解説します。
| 項目 | GitLab | GitHub |
| 利用目的 | DevOpsプラットフォーム | 開発者同士のコミュニケーション、オープンソースソフトウェア開発のプラットフォーム |
| ライセンス | オープンソース | 商用ライセンス |
| 提供形態 | SaaS版、Self-Managed版 | aaS版 |
| CI/CD | 統合された機能 | GitHub Actions |
| プライベートリポジトリ | 無料プランで無制限 | 無料プランで利用可能 （制限あり） |
| ユーザー数（無料版） | SaaS版は制限あり、 Self-Managed版は無制限 | 制限なし |
| プロジェクト管理 | 高度な機能あり | 基本的な機能のみ |
| インターフェース | 機能が豊富 | シンプルで直感的 |
| 安定性 | 改善中 | 高い安定性 |
| 有料プラン | 安価 | やや高価 |
GitLabとGitHubはそれぞれ利用目的が大きく異なります。
GitLabはバージョン管理だけでなく、DevOpsプラットフォームとしての利用を重視しているのに対し、GitHubは開発者同士が自由にコミュニケーションがとれることを重視しています。
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GitLabでできること
GitLabには、以下のような機能が備わっており、迅速な開発を実現できます。
・CI/CD（継続的インテグレーション/継続的デリバリー）
・コードレビュー
・プロジェクト管理
・セキュリティ管理
・サードパーティーアプリケーションとの連携
それぞれについて解説します。
継続的インテグレーション（CI）/継続的デリバリー（CD）
GitLabのCI/CD機能を使うことで、コード変更箇所のテスト、ビルド、デプロイまでを自動化できます。
継続的インテグレーション（CI）とはコードの品質を保ち、エラーを早期に発見する活動のことです。
また継続的デリバリー（CD）は、安定したコードを迅速に本番環境にデプロイすることです。
CI/CD機能でソフトウェアの品質を高め、開発サイクルの短縮とリリースの迅速化が実現できます。
コードレビュー
GitLabのコードレビュー機能は、プルリクエストやマージリクエストを通じてチームメンバーがコードを確認・フィードバックできる機能です。
コードレビューの際にはコメント機能や変更の可視化が活用でき、エラーの早期発見や標準化されたコーディングスタイルの維持に役立ちます。
また、自動化されたレビュー機能も利用でき、作業の効率化が図れます。
プロジェクト管理
GitLabのプロジェクト管理機能は、タスク管理、イシュー追跡、マイルストーン設定など、開発プロセスを効果的に管理できるツールを提供します。
これにより、進捗状況の可視化やスケジュールの調整が容易になり、チーム全体の作業がスムーズに進行します。
GitLab内でタスクを直接管理することで、開発とプロジェクト管理を統合でき、作業効率の向上や、リソースの最適な配分が可能になります。
セキュリティ管理
GitLabは、静的アプリケーションセキュリティテスト（SAST）や動的アプリケーションセキュリティテスト（DAST）といった複数のセキュリティテストを提供しています。
これにより、コードやアプリケーションに潜む脆弱性を自動的に検出し、修正することで、セキュリティの高いソフトウェア開発を実現します。
また、依存関係スキャンやコンテナスキャンなども行えます。
サードパーティーアプリケーションとの連携
GitLabは、多くのサードパーティーアプリケーションとの連携が可能です。
例えば、PrometheusやGrafanaなどと統合し、アプリケーションやインフラのパフォーマンス、リソース状況をリアルタイムで監視できます。
また、JiraやSlack、Kubernetesなどと連携することで、開発者は既存のツールやワークフローをGitLab内に統合でき、複数のツールを切り替える手間を省けます。
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GitLabの使い方
GitLabを使うための手順を解説します。
大きく以下の流れで行います。
- GitLabアカウントの作成
- プロジェクト（リポジトリ）作成
- Gitのインストール
- ローカルリポジトリの作成
- GitLabリポジトリの連携
Gitを端末にインストールしてローカルリポジトリを作成し、GitLabにリモートリポジトリを作成することで、GitLabの機能を利用する仕組みになります。
GitLabアカウントの作成
GitLabの公式サイトにアクセスし、アカウントを作成します。
アカウント登録画面では、名前、ユーザー名、メールアドレス、パスワードを入力します。
もしくは、GoogleアカウントやGitHubアカウントと連携も可能です。
入力したメールアドレスに、認証コードが送付されます。
メールを確認し、認証コードを入力することで、認証が完了します。
認証が完了すると、質問が表示されるので、画面に従って情報を入力します。
会社情報の入力画面が表示されます。
プロジェクトを作成する画面が表示されます。
表示内容に従い、グループ名およびプロジェクト名を入力します。
アカウント作成が成功すると、作成したプロジェクトの画面が表示されます。
プロジェクト（リポジトリ）作成
アカウント作成時にもプロジェクトを作成しますが、追加でプロジェクトを作成する場合は、以下の手順で行います。
GitLabトップページの右上にある「New Project」をクリックします。
プロジェクトの作成方法が表示されます。
「Create blank project」を選択します。
プロジェクト名、公開範囲（Visibility Level）などを設定していきます。
情報を入力し、「Create project」をクリックすると、プロジェクトが作成されます。
Gitのインストール
プログラム開発を行う端末にGitをインストールします。
Gitは分散型のバージョン管理ツールであり、ローカルリポジトリを作成しリモートリポジトリと連携することで、複数の開発者とソースコードの共有が行えます。
Gitのインストール手順は「GitとGitHub のインストール」記事で詳しく解説していますので、そちらを御覧ください。
Winserver：Git＆GitHubの導入方法を簡単ガイド！
ローカルリポジトリの作成
Gitのインストールが完了したら、ローカルリポジトリを作成します。
Git bashを起動し、以下のコマンドを実行します。
コマンドはUnix系/Windowsとも同じです。
画面はWindowsの画面になっています。
| mkdir プロジェクト名 cd プロジェクト名 git init |
GitLabリポジトリの連携
GitLabのプロジェクト画面にて、右上「Code」を押下すると、リモートリポジトリのURLが表示されます。
このURLをローカルリポジトリ側で以下のコマンドを実行することで、連携が行われます。
| git remote add origin GitLabプロジェクトのURL |
以下の例では、HTTPSのURLを入力して連携を行っています。
まとめ
本記事では、GitLabについて解説しました。
GitLabはGitをベースとしており、ソースコードのバージョン管理だけでなく、DevOpsプラットフォームとしての機能が備わっています。
開発者同士が自由にコミュニケーションがとれることを重視したGitHubとは異なり、GitLabはソフトウェア開発の全てのフェーズを一元管理でき、ソフトウェアの品質向上、効率性向上が見込めます。
無料プランがありますので、Gitでソース管理をされている場合は、利用をご検討ください。
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