Perl(パール)とは。老舗プログラム言語のPerlを知って、サーバーに関するスキルも得よう!

Perlの進化の歴史は、命令を順に実行する手続き型のプログラム言語として始まりました。

途中のバージョン5からオブジェクト指向の機能が追加され、ハイブリッドな言語となって、今も続いています。

Perlの老舗的な魅力、興味がわいてきましたか?

ではPerlについて、この記事で読み解いていきましょう。

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Perlの基礎知識

Perlプログラミングの世界観

長い歴史をもつPerlは、原理原則が技術者に長らく知られているため、開発の際もメンテナンス時も、不具合の対処にも、備蓄されたノウハウが多くあって安定した技術があります。

最新技術は高性能で多機能ですが、歴史の浅い技術には予期せぬ動作をしたり、扱い方がよく分からなかったりする面があります。

しかし「長い間使われ続けているPerlならば」、すでに不具合も出尽くしているので対応しやすく、安定動作が最優先とされる現場での需要が多いのです。

そしてPerlは、サーバサイドで動作するプログラム言語の要素を多く含みます。

「Perlを知って最新のプログラム言語」を学ぶことで、逆立ちが苦手なのにバク転の練習を続けるような、不効率な学びを軽減できます。

Perlを知っておけば、これまでPerlが多く利用されていた分、未だ現役のシステムの保守・管理に知識をフル活用できます。

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Perlの歴史

Perl言語は、Unix(オペレーティングシステムの一つ)上でより簡単にプログラムを扱えるようにするため、1987年にラリー・ウォール氏によって開発されました。

英語の「Practical Extraction and Report Language」の頭文字を取って「Perl」となりました。

Perlは当時の主流だったテキスト処理やデータ解析を行うために使われ、広まっていきました。

そしてインターネットが急成長していた時期に、ユーザの入力に対応するウェブサイトを形作るスクリプト(小さく簡易なプログラム)として大いに人気を博しました。

Perlは多くのプログラマに愛用されました。

年月が経った今、他のプログラミング用の言語は増えました。

しかし、良い技術としてPerlは使われ続け、昔からのプログラマには思い入れのある言語です。

Perlの特徴

Perlはサーバサイド(サーバで動作する)インタプリタ方式(記述を逐次デジタル機器が解せる機械語に変換する)言語という点も特徴ですが、その他のことを知ると、この言語が少し特別な存在だと思えるかもしれません。

正規表現が強力

Perlは、テキストを検索する特別なルールである「正規表現」を扱うのが得意な言語です。

たとえばPerlには「 $& 」という特殊変数があります。

この特殊変数には、正規表現「 /mirai/ 」がテキストで一致したとき、「$&」には一致した文字列「mirai」が自動的に格納されます。

柔軟な文法と豊富なライブラリ

Perlは記述の仕方が比較的自由なので、プログラマが自分自身のスタイルでプログラミングできる特徴があります。

また、プログラミングするときも、長い歴史を持つPerlならば、CPAN(Comprehensive Perl Archive Network)と呼ぶ巨大なライブラリ(再利用できるプログラム類)が整っています。

必要な機能を持つ数多いライブラリを利用すれば、プログラミングの効率化が可能です。

実はハイブリッド言語

Perlは命令を順番に実行する手続き型と、オブジェクト指向プログラミングの両方に対応したハイブリッドな言語な点も特徴です。

Perlを使いこなせば、オブジェクト指向の言語に移る際にも親和性があるのが特徴的な点でしょう。

後方互換性が高い

Perlは後方互換性を大切にする言語です。

Perlが最新版にアップデートされたら。昔プログラミングしたものが動作しない! ……ということが稀な言語です。

後方互換は地味に重要です。

新しい言語のPython(パイソン)では、Python2と最新のPython3で文法が変わってしまい、プログラマやシステム管理者に大幅修正を強いられることがあります。

記述が読みやすい

また、Perlは記述が読みやすい部類で、大規模なプログラムでなければ第三者にも理解しやすいよう構成されています。

保守・管理や自分自身のスタイルでプログラミングしても、大混乱に陥りにくい優しさは、今も健在です。

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Perlの仕組みと動作環境

Perlの動作について

Perlはサーバサイドで実行されるスクリプト言語です。

記述順にインタプリタと呼ぶ、デジタル機器が理解できる機械語に変換されて、動作しています。

次にサーバサイドで動作する仕組みを考えるとき、Perlと関わるCGIの意味で混乱を招きがちです。

シンプルにまとめると以下のようになります。

(1)CGIはウェブサーバとプログラムをつなぐ仕組みのことです。

端的に言うと、(ウェブ)サーバ側でプログラムを動かす仕組みそのものを示します。

(2)Perlはその実体となるプログラムを作るのに使う、プログラム言語のひとつです。

具体例として、ユーザがウェブページのフォーム(入力欄)に何か入力したのち、クリックなどすると、入力データがウェブサーバに送られます。

そのデータはCGIがPerlで作ったプログラム(CGIスクリプト)を起動して受け取り、プログラムどおりに必要な処理を行います。

こんな流れです。

処理したデータはウェブページに送り返せます。

そのため電子掲示板を含む、ユーザとデータのやり取りを行うインタラクティブで動的なウェブページ(ユーザの操作で表示内容が変化するページ)が作れます。

必要な動作環境と設定方法

現在、ほとんどのLinuxディストリビューション(核となる部分に機能を追加してOSとしたもの)にPerlは標準で装備されています。

ただし、Perlを実行するインタプリタの保存先(パス)を利用者がわかるようにする必要があります。

パスが不明だと、誰もPerlを扱えません。

(例)

perlのパスは「/usr/bin/perl」です。

逆に、Perlを動作させたいユーザは、プログラミングしたファイルのパーミッション(権限)を「755(ユーザだけが実行と読み書きができ、他の利用者は実行と読み込みのみ許可する)」に設定するのが一般的です。

また、Perlでプログラムを記述したファイルの拡張子は「.pl」とするのですが、サーバ側でうまく設定されていないと動作しません。

サーバの標準設定では、拡張子が「.cgi」ならば、ファイルの中身に関係せずCGIとして実行する設定になっています。

そのためユーザ側で、権限と拡張子に注意する必要があります。

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Perlプログラミングの基本

Perlの基本文法と構文

プログラミング言語を記述する作業はソースコードを書くと言い、記述内容は一般にコードと呼ばれます。

さてPerlは、他のプログラミング言語と似た文法を持ち、加えて、優れたテキスト処理機能と柔軟性を持ちます。

Perlで、配列やハッシュなどのデータ構造を利用すれば、データの処理が直感的に行えます。

大量のデータを扱うときも、シンプルな記述(コード)で複雑な操作・処理ができます。

Perlの文法は、初心者にとっても親しみやすい設計です。

簡素な構文で基本的なプログラムを書き始められ、一方で熟練者向けの高度な機能を備えます。

データベースとの連携から、各種ウェブデータ処理の自動化やシステム管理(ログ解析)など、幅広い用途に対応します。

その反面、Perlの柔軟性と多機能ぶりが、コードの読みやすさを損なう場合もでてきますが、それは後ほど説明します。

Perlプログラムの例と便利なオンラインサイト

Perlは他のプログラム言語と共通点が多くあります。

以下が代表的な例です。

    • 制御構文:判定命令のif、コードを繰り返す命令のwhile、forなど。
    • 変数:変数は使う際、my (変数名)と記述します。
    • コメント:「#」以降の一行はコメントとみなされます。
    • C言語などと同じように、命令の締めくくりには「;」(セミコロン)を忘れずに。

そしてウェブサイトに以下のコードを含めれば、サーバにアップロードしたPerlのファイルを実行できます。

(例)

<iframe src=”(保存先のパスとcgiのファイル名)”></iframe>

Perlのプログラムはサーバサイドで実行されますが、便利な時代になりました。

オンラインサイトで疑似的にPerlのコードを試せます。

myCompiler:https://www.mycompiler.io/ja

多くの言語が選べますが、画面下部の選択画面でPerlをクリックします。

事例として、強力と呼ばれる正規表現のサンプルを実行してみます。

以下をオンラインサイトにコピー&ペーストして試せます。

(例)

#!/usr/bin/perl
use strict;
use warnings;
my $text = “https://www.miraiserver.ne.jp/”;
my $sagasu=”mirai”;
print “文字列: $text \n”;
print “探す文字列: $sagasu \n”;
if ($text =~ $sagasu) {
print “文字列発見: $& \n”;
print “位置:”. (index($text, $&)+1) .”文字目\n”;
print “大文字変換: “.uc($&).”\n”;
}

サンプルの解説

(1)#!/usr/bin/perl はサーバサイドから公開されるパスです。

(2)strict は Perl の文法を厳密にチェックする指示、warnings は詳細な警告メッセージを表示させる指示です。

これらはプログラムのミスの発見に役立ちます。

※(1)(2)はPerlのプログラムではお約束の記述です。

(3)myで変数を宣言し、$textに検索対象の文字列を代入しています。

次の行に正規表現で使う文字列を代入します。

(4)ifは「もし」という意味です。一致するものがあれば{}内を実行します。

printは出力命令です。文字列は「.」で連結するのがPerlの文法です。

(5)特殊変数「$&」には、一致した文字列が代入されます。

(6)index命令(関数)では、何文字目で一致したかを調べさせ、uc 命令(関数)で一致したものを大文字に変換します。

実行結果

実行結果は下記の画像の様になります。

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Perlの学習方法

能動的な学び方のメリットデメリット

この記事では、新たな学び方をご紹介します。

それは会話型AIにPerlで実行したいことを尋ねて、解説してもらう方法です。

AIと対話しながらの学びは、旧来の受動的な学習から能動的な学習に変わります。

質問したり、疑問点をその場で解決したりできるメリットは大きいです。
最新の対話型AIならば、「Perlをゼロから学びたいから事例を示してやさしく教えて」と伝えれば、自分のペースで学べます。

しかし、デメリットもあります。

プログラミングを学ぶには、実際に手を動かしてコードを書いて、試行錯誤する経験が重要です。

また、複雑な内容だとAIも間違える場合があります。

他の学習方法(本やチュートリアル、コミュニティ利用など)から得られる多様な知識とバランスを取る必要があります。

Stack Overflowはプログラミング全般に関するQ&Aサイトです。

Perlに関する質問や回答も多くあります。

https://ja.stackoverflow.com/

Perlのデメリットと代替言語

Perlはインタプリタ型の言語です。

コードを1行ずつ機械語に変換していくため、高速な処理が難しいです。

加えて、柔軟な文法で記述が簡単になる反面、機械語への変換作業に時間がかかることがあります。

また、柔軟であるがゆえ、大規模なプログラムではその内容が理解しづらくなる場合が出てきます。

Perlは歴史の長い言語です。

しかし、現代の最新のウェブ系サービスの開発には、やや不向きで新たな言語のPHPやPythonが優位になります。

Perlの代替言語

Python

生成AIの制御と結びつきが強く、機械学習にも強いPython。

しかしPythonは、オブジェクト指向プログラミングとなるため、概念を学ぶのに難はあります

Winserver:Pythonとは。キャリアアップに最適な注目のプログラミング言語

PHP言語

サーバサイドの動作を重視し、実際にPerlの代替としての利用が多い「PHP言語」。

Webアプリケーションの開発としてよく使われています。

Ruby

日本の技術者が開発したプログラミング言語、Ruby。

書きやすく、読みやすいことが特徴です。

JavaScript

手軽でとっつきやすいJavaScript

「Node.js」というプラットフォームの登場で、サーバサイドでの動作も可能になりました。

Winserver:JavaScriptとは。特徴や基本的構造、学習方法を解説【初心者向け】

まとめ

本記事では、Perlについて解説しました。

長い歴史を持ち、安定した技術として多くの現場で活躍するPerlは、初心者から上級者まで幅広く利用されています。

Perlの強力なテキスト処理機能や柔軟な文法は、効率的なスクリプト作成やデータ解析を可能にします。

また、豊富なライブラリやフレームワークが揃っており、効率的な開発をサポートします。

後方互換性が高いため、古いコードも最新バージョンで動作することが多いため使いやすい言語です。

これからサーバサイドのプログラミングを始めたいと考えている方は、他の多くの言語の基本となりうる、Perlの習得から始めてはいかがでしょうか。

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