CentOSは、バージョン7からIPアドレスの設定方法が大きく変わっています。
今までのIPアドレスの確認コマンドである「ifconfig」がデフォルトでは使用出来なくなっています。
では、どのようにしてIPアドレスを設定すればよいのでしょうか。
本記事では、CentOS7でのIPアドレスの変更方法、ならびにデフォルトゲートウェイ、DNSのアドレスの変更方法を解説します。
CentOSをインストールしたばかりの方は、こちらの記事もご参照ください。
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目次
CentOSでのIPアドレス確認方法
前提条件
使用する環境は、仮想マシン上にインストールされたCentOSです。
仮想マシンのスペックは以下のとおりです。
- CPU:2vCPU
- Memory:4GB
- Disk:50GB
- バージョン:CentOS Linux release 7.9.2009(Core)
また、コマンドの標記については、実際に入力するコマンドを太字、補足の内容を青字で記載しています。
なお、CentOSのバージョンは、「/etc/centos-release」で確認できます。
IPアドレスの確認方法
CentOSは、バージョン7からは、ifconfigコマンドは使用できません。
ただし、rpmパッケージ「net-tools」がインストールされていれば、ifconfigが利用できます。
ifconfigを使い慣れている方は、net-toolsをインストールするとよいでしょう。
ただし、ifconfigが使えない代わりに、ipコマンドを使ってIPアドレスを確認することができます。
$ ip addr show
または
$ ip a ※「ip addr show の省略版」
なお、「ip -c」とすると、表示に色がついて見やすくなります。
※緑枠:MACアドレス
※赤枠:IPアドレス(IPv4)
上の例では、ネットワークアダプター「enp0s3」に対して設定されているIPアドレス、MACアドレスを確認することができます。
IPアドレスのみ知りたい場合は、「-br」をつけることで、さらにわかりやすく表示できます。
他にも、IPアドレスの確認にはnmcliというコマンドを使って確認することもできます。
nmcliコマンドは、このあとご紹介するIPアドレスの変更にも利用できるので、あわせて覚えておくと便利です。
$ nmcli |
IPアドレスの設定方法
ここまでは、IPアドレスの確認方法についてご紹介してきました。
続いては、IPアドレスを実際に設定する方法を解説します。
IPアドレスの設定方法は複数ありますが、代表的な方法をご紹介します。
nmcliコマンド
nmcliコマンドでIPアドレスを設定する方法です。
例えば、「enp0s3」に対してIPアドレスを変更する場合のコマンドは以下の通りです。
IPアドレスを「192.168.10.32」に変更
# nmcli con mod enp0s3 ipv4.addresses 192.168.10.32/24
IPアドレスを変更する場合は、rootユーザーで行います。
元々のIPアドレスは「192.168.10.31」でした。
これを「192.168.10.32」に変更した例は以下の通りです。
コマンドは実行していますが、その後「ip -c」コマンドで確認しても、IPアドレスは変更されていません。
nmcliコマンドで変更する場合は、ネットワークサービスまたはデバイスを再起動されることで反映されるので注意しましょう。
以下の例では、デバイス「enp0s3」を再起動して変更を反映しています。
同様に、nmcliコマンドを使用すればデフォルトゲートウェイやDNSを変更することも可能です。
デフォルトゲートウェイを「192.168.10.1」に変更 # nmcli con mod enp0s3 ipv4.gateway 192.168.10.1
DNSを「192.168.10.1」に変更 # nmcli con mod enp0s3 ipv4.dns 192.168.10.1 |
nmtuiコマンド
もう1つのIPアドレスの変更方法をご紹介します。
nmtuiコマンドを使用すれば、GUIベースの画面で簡単に変更が可能です。
nmtuiコマンドを実行すると、以下の画面が表示されます。
「接続の編集」を選択すると、変更するデバイスを選択するメニューが表示されます。
今回は「enp0s3」を選択します。
デバイスを選択すると、詳細な設定画面が表示されます。
ここで、変更したい設定を編集します。
今回はIPアドレスを「192.168.10.32」に変更していますが、同様にデフォルトゲートウェイやDNSサーバーの変更も可能です。
nmtuiコマンドを使用して変更する場合も、編集した内容が即時に反映されません。
手動でネットワークサービスを再起動するか、デバイスを再起動することで設定が反映されます。
ifcfgファイルを編集する
コマンドではなく、デバイスごとの設定ファイルを編集してIPアドレスの設定を変更できます。
変更する設定ファイル /etc/sysconfig/network-scripts/ifcfg-<デバイス名>
例:/etc/sysconfig/network-scripts/ifcfg-enp0s3 |
こちらのファイルを編集後も、即時には反映されません。
手動でネットワークサービスを再起動するか、デバイスを再起動することで設定が反映されます。
どの方法でも即時には反映されませんが、OSを再起動しても変更内容が戻らない「恒久的な変更」になります。
一時的な変更ではないので、覚えておきましょう。
また、インタフェースおよびネットワークサービスを再起動するときは、停止中は一時的にそのデバイスを使用しての通信ができなくなるので、注意が必要です。
例えば、そのデバイスを使ってVPCや遠隔地にあるサーバーと接続しているときは、デバイスを停止すると操作ができなくなります。
デバイスを停止しても問題ないか通信経路を確認するようにしましょう。
まとめ
今回はCentOS7でのIPアドレス設定方法について解説しました。
3通りのIPアドレスの設定方法をご紹介しましたが、どの方法でやってもかまいません。
ただし、CentOS7以外のLinuxで行う場合は、nmcliやnmtuiが使えない場合もあるので、注意しましょう。
CentOSは、バージョン7から今までのIPアドレスの確認コマンドである「ifconfig」がデフォルトでは使用出来なくなっています。
IPアドレスを設定する場合は、ipコマンドやnmcliコマンドを使用してIPアドレスを確認し、今回ご紹介した方法で変更してみてください。
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